bsdinstallを使ったFreeBSDの自動インストールについて[基本編]
これまで何度か取り上げましたが、FreeBSD 9.0から「bsdinstall」というセットアップツールが登場しました。
これを使用すると、非常に簡単にFreeBSDを自動インストールできます。
ここでは、
bsdinstall script <スクリプト>
を使った自動インストールでの、引数に渡すスクリプトについて調べてみます。
基本形
マニュアルに記載されているサンプルは以下の内容となっています。
PARTITIONS=ada0 DISTRIBUTIONS="kernel.txz base.txz" #!/bin/sh echo "ifconfig_em0=DHCP" >> /etc/rc.conf echo "sshd_enable=YES" >> /etc/rc.conf pkg install puppet
このスクリプトは、シバン行(#!/bin/sh)によって、前半(preamble)と後半(setup script)に分かれます。
前半(preamble)
PARTITIONS=ada0 DISTRIBUTIONS="kernel.txz base.txz"
前半では、インストールで使用する環境変数の設定を行います。
このサンプルで設定されている内容としては、以下の通りです。
- PARTITIONS=ada0
- インストール先のパーテイションはada0
- ※PARTITIONSはscriptedpartターゲットで使用する環境変数
- DISTRIBUTIONS="kernel.txz base.txz"
- インストールするディストリビューションは kernel と base
任意のパーティション分割してインストールする
前半(preamble)で定義している環境変数「PARTITIONS」に、基本形では「ada0」のみを定義していますが、ここにscriptedpartで使用するパーティション定義を記述すれば、任意の形でパーティション分割することができます。
前半(preamble)
PARTITIONS="ada0 { 512M freebsd-ufs /, 1G freebsd-swap, 512M freebsd-ufs /var, auto freebsd-ufs /usr }" DISTRIBUTIONS="base.txz kernel.txz"
上記の設定では以下のようにパーティション分割されます。
- ufs / 1G
- swap 512M
- ufs /var 512M
- ufs /usr 残り
パスワードの設定やユーザーの追加などを行う
後半(setup script)は普通のシェルスクリプトになっているので、そこに初期設定を行うコマンドを記述すればOKです。
後半(setup script)
echo 'vagrant' | pw usermod root -h 0 -s /bin/tcsh echo 'vagrant' | pw useradd -n vagrant -h 0 -m -s /bin/tcsh export ASSUME_ALWAYS_YES=yes cat <<EOS | xargs pkg install sudo curl bash EOS
上記の設定では以下の設定を行っています
- rootユーザーにパスワード「vagrant」を設定
- 一般ユーザー「vagrant」を作成。パスワードは「vagrant」、ログインシェルは「tcsh」
- pkg installを使って、sudo・curl・bashをインストール
その他、普通に各種設定ファイルの編集なども行えます。